「ご厚志」って? 仏事における「ご厚志」
「ご厚志」は「ごこうし」と読みます。
ご厚志は「深い思いやりの気持ち、心のこもった親切、親切な心遣い」のことを意味します。
ビジネスでは上司や主賓が渡すお金のことを言いますが、
葬儀においては、香典・供物・供花・弔電など葬儀の際にいただいた物全てを意味します。
「ご厚志」=「香典」とイメージする方も多いようですが、供物や供花もご厚志に含まれます。
1. 「ご厚志辞退」とあったときは
葬儀の際に「ご厚志辞退」とあった場合は「葬儀・告別式の際に、香典や供物を受け取らない」ことを示す表現です。
葬儀後の香典返しの負担や、儀礼的なやりとりを省略したいと考える場合など事情は様々ですが、故人や遺族の考えを尊重し、無理に香典を受け取ってもらおうとする必要はありません。かえって失礼にあたることにもなります。
ですが、お通夜や葬儀の連絡があった際に「ご厚志ご辞退」の旨を伝えられたとしても、念のために香典は用意したほうがいいです。
「ご厚志ご辞退」とした場合は全て受け取らないということですが、「供物・供花ご辞退」という場合もあります。この場合「供物・供花ご辞退」は「供物・供花は受け取りませんが、香典は受け取ります」ということを示します。 「ご厚志ご辞退」ではなく、「供物・供花ご辞退」の場合もあるので注意しましょう。
2. 「ご厚志」の例文
会葬礼状
葬儀に来ていただいた方へのお礼文です。「ご厚志」で弔電や供花のみをいただいた方へのお礼状も兼ねますが、弔電、供花それぞれに合わせたお礼状を出す方が丁寧で好ましいと言えます。
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忌明けのお礼状(満中陰法要のお礼状)
満中陰法要を終えた後に出すお礼状です。葬儀や満中陰法要を無事に済ませたこと、そのお礼をします。このタイミングで返礼品を送ることが多いです。
ご芳志はご厚志と同義で、ご厚志より丁寧な表現となります。
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七七日忌明けの挨拶状
「ご懇篤なるご弔慰ならびにご厚志を賜り」は「ご丁寧に、慰めてくれてありがとう、お香典(弔電・供花・供物含む)もありがとう」といった意味になります。
御弔慰は慰めの気持ちや行為、ご厚志は葬儀の際に頂いたものを指します。いただいた気持ちと物に対してお礼をします。
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3. 「ご厚志」以外の仏事で使われることば
ご芳志(ごほうし) ・・・ ご厚志と同じ意味ですが、ご厚志より丁寧な言い方となります。
寸志(すんし) ・・・ 相手からいただく場合はご厚志ですが、自分がお金を渡す立場の場合は「寸志」と言います。
弔詞(ちょうし) ・・・ 「弔いの言葉」「人の死をいたみ悲しむ気持ちをあらわした言葉や文」弔辞と同義
弔慰(ちょうい) ・・・ 弔慰とは人の死を悼む気持ちの事です。死者を弔い、残された遺族の方を慰める意味もあります。
弔意(ちょうい) ・・・ 人の死を悲しみとむらう気持ち。(弔慰とは同じようですが少しニュアンスが違います)